ラグジュアリーブランド店長ブログ

チームワークのよいお店はここが違う!具体的に何をすれば良いの?:ブランド店長問題解決講座(7)

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■店舗のチームワークを強化する5つの条件とは?

同じ5人のお店運営でもチームワークの良し悪しによって、業績・定着率・クレームなど様々な局面で大きな差が開きます。特に店舗という限られた空間で日々の大半の時間を過ごすことを考えると、チームワークはお互いの精神面にも大きな影響を及ぼします。「会社を辞める理由」の大半が”人間関係”ということを考えると、店長として自店のチームワークづくりは本来優先すべき重要な課題です。
では、チームワークを良くし、皆が健全に働くことができ、そのエネルギーを成果につなげるには何が必要でしょうか?答えは意外とシンプルで、以下の5つの状態を一つ一つ着実に創りあげることです。

1.チームとしての共通の目標、目的に対し全員が達成したい!という気持ちになっている(←ここが肝!)
2.それを達成するために必要な役割分担があり、各自が計画的に遂行している。
3.目標達成のために情報を共有し、足りない点は補完しあい、連携している。
4.共通で守るべきルールがあり、遵守されている。
5.お互いを尊重し、それぞれの強みを互いに認め、活用している。

100点満点は難しいとしても、これらの条件を満たす重要性を店長やスタッフが認識しあい、改善することで、安定して業績を上げ続けることが可能になるのです。では、どうしたらこれらを実現できるのでしょうか?できている店舗とそうでない店舗、できる店長とそうでない店長とでは何が違うのでしょうか

■”できる店長”の4つの具体的な取り組み

その際に最も重要なのは「店長のチーム作りに対するこだわり」、すなわち、”良いチーム作り”のために店長自身が日々どれだけのエネルギーを投入する覚悟があるか?ということです。自然発生的に良いチームワークが生まれることもありますが、それは放置しておくと自然に消えていってしまう性質を持っています。チームワーク強化にこだわりを持った”できる店長”は、以下のことを「当たり前」に日々徹底を図っています。

1.”チームとしての共通の目標、目的とその背景”をかみくだいて説明し、「やりたい!」という気持ちを醸成する!

●できる店長は「今月の売り上げ目標は○○です」と伝えるだけでなく以下のことに力を入れます。
「目標達成のために、△△というアクションをみんなで強化していきませんか?なぜなら、△△にしっかり取り組むことで、××ということができるようになり、結果的に売り上げ目標到達が可能になるからです。」「今月も目標達成ができると3ヶ月連続達成となり、うちのお店にとっては快挙といえる成果につながります!みんなの頑張りもしっかり認めてもらえますし、ここまでがんばってきたことが花開きます。だから、改めて今月の取り組み方について一人一人から意見をもらって、着実に日割り予算を達成できるよう、私も全力でフォローします!」「名付けて<ブルーム大作戦>。これは○○さんが名付けてくれたプロジェクト名です。是非全員で協力してやっていきましょう!」

●そうはいっても当然スタッフによって理解度に差があります。特になかなか納得してもらえないスタッフに関しては、”できる店長”はあきらめるのではなく、「なぜ意欲的にやれないのか?」「どうすればより当事者意識になってもらえるか?」を考え、根気強く働きかけるだけでなく、少しでも成功体験を積んでもらえるような環境を作り、行動面から弾みをつけさせようと取り組みます。そういう地道な種まきによって、徐々にベクトルが合致してきて、それ以降、共通目標を伝えた際、全員への浸透が早まり、結果的に効率が高まるのです。

2.スタッフの行動をよく観察し、仲間へのフォローができている際は、きちんと「ありがとう」とフィードバックし、他のスタッフもそれをまねようとするムードを創り出す

3.目標進捗に関し常に情報を共有し、皆で声に出して喜び合う機会を創り出す。ダメな時は「惜しかった。次は~しよう。他の人も積極的にフォローして!」と発信する →すると店長不在時でも他のスタッフが同じような発信をし始めます

4.個々の売り上げ目標が達成できたことだけに注目するのではなく、店舗全体の結果につながるように具体的にどのように他のスタッフと関わったか、貢献できたか、を見て評価及びフィードバックを行う
(「店長が何を本当に重視しているか」を、スタッフは「何をどう評価されたか」で感じるため、チーム貢献が自分の可能性を拓く道ということをわからせるのです。)

この4つのことを意識して実践することで、スタッフの中に「常に皆で戦っている」という意識が刷り込まれます。おのずと他の人の動きも視界に入ってくるし、「自分がどう動けば他の人が助かるか」という認識も芽生えてきます。且つ、これらは「何をしてもらえるか」ではなく、先に「何ができるか」を考えて動ける人を一人でも多く作るための、計画的且つ継続的な取り組みなのです。

■あなたも今日から”できる店長”になれる!

「新しい店長に代わったら、お店の雰囲気も変わり、業績も上がるようになった」という声を聞くことは多々あります。しかし、以前の店長だって自店をあえて悪くしたいと思っていたわけではないでしょう。すべての店長は良いお店になるよう努力していますが、「やり方」と「粘り強さ」で差がついてしまうのです。

先日も店舗を良い方向に変えたという店長の話を聴いてみると、以下のことを行ったとのことでした。
●私がこの店舗に赴任した当初はバラバラに近い状態でした。それで悩みました。数字のため、お客様のためだけでなく、“一人一人がこの店舗で働いていてよかったと思える”お店にしていくには、何が課題か、何が必要なのかをすべて書き出してみました。
●そして、それを一つずつ改善していくしかないと決断しました。ただし、店長の私一人がどれだけ声高に発信しても無理です。最終的にそれを創り出すのは、スタッフ自身の言動でしかありません。
●実際、一人一人考えが違ったりしますから、「~のためにこうしましょう!」と言っても無視されることも多々ありました。そこで粘り強く何度も同じことを伝えたり、分かってくれるまで行動で示すしかありませんでした。あきらめずにできるだけ明るく接し続けるうちに徐々に理解者が増えて、私の言っていることに協力的な行動をとってくれるようになりました。
●そうすると、そのスタッフたちが私の代わりに他のスタッフに「店長は~のために言っているんだよ。まず一緒にやってみようよ」と声をかけて巻き込んでくれるようになりました。心から有難いと思いましたし、頑張ってきてよかったとも思いました。
●徐々に変化の兆しが生まれ、それが数字となって表れ始めると、あとはスタッフたちが信じて取り組んでくれるようになりました。何より私自身が風通しの良い前向きな店舗で働きたいので、自分で環境を創るしかありません。

中には「粘り強く、と言われても今の時代は変化が速いだけに精神的にも時間的にも余裕が持ちにくい。」と思われる方もいると思います。しかし、そういう時代だからこそ多少のことではゆるがない、むしろ結束し合う基盤づくりが欠かせないのです。お店で次々発生する問題は店長だけでは解決できません。一人一人が当事者意識を持つスタッフ集団こそが問題解決の知恵を出し合い、ピンチをチャンスにして強くなっていけるのだということを”できる店長”は示しているのです。

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★お勧め本→ 『新しい店長のバイブル~業績を上げ続ける店舗はこうして創る!』(PHP) 

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