ラグジュアリーブランド店長ブログ

ブランド店長は自分プロデュースが大切!~「会いたい人」になるために:ブランド店長問題解決講座(5)

■私たちの存在意義が問われる時代

2022年5月に経済産業省が発表した「未来人材ビジョン」の中で、2050年には職種として「販売従事者」は26%減少、産業として「卸・小売業」が27%減少との予測が明記されています。

ファッションブランドにおいても、テクノロジーの進化に伴い人間の能力を超える遥かに詳細な顧客の動向データが収集可能となり、それをもとに、マーケティング部隊が個々のお客様の動向、嗜好を読んで、モバイルで最適なタイミング、最適な内容を提示することで自動的にもっと売り上げを上げることが可能になります。もっといえば、たとえばAIロボットが先回りしてお客様が見たいものをピックアップして準備しておき、お客様は負担なく購入できる、というプロセスも十分実現できるのです。一方で、メタバース世界が到来し、お客様は仮想と現実をシームレスに行き来出来ます。メタバースの世界では現実を超えた様々なエンターテインメントが繰り広げられます。そうなったときに、リアル店舗の意義とは?また私たち人間がいるいる意味とは何でしょうか?

デジタル世界の変革は「こうなるかも」ということが猛スピードであっという間に現実化します。その中で、何を自分の価値とするのか?を時には考えてみることも重要です。

■感情・感性の交流の重要性-自分プロデュースの時代

先述したように、これまでに比べ私たちは「情報戦」の時代に入っています。
しかし、ラグジュアリーブランドという領域では「ラストワンマイル=最後の仕上げは?」と言われると、やはり「人 対 人」のやり取りの中で生まれる”交流の質”が重要と言えます。なぜならお客様は単に必要な、あるいは欲しい製品(モノ)を必要なタイミングで買っている、ということだけで片付けられない世界だからです。
ラグジュアリーブランドの製品を購入する際にお客様が求めているもの、それはラグジュアリーな体験であり、ある種優越感や満足感に浸れる瞬間であり、非日常です。
そこでは「プロフェッショナル」と呼べる人の知恵、コミュニケーションの厚みが以前にも増して求めらます。

<本当に人と人との交流の質って重視されるの?>という疑問もあるかと思います。
しかし、たとえば、SNS。やはり「人とのつながり」を求めているからこそ広まったツールでもあります。
SNSの世界で多くの人が求めているのは単なる情報ではなく、共感性・刺激・悩み解決、称賛、安心感等々の心理的満足の側面が大きいと言えます。
また、”24時間闘えますか?”という時代から脱却し、ゆとりの時間を家族との時間としてより大切にしようとするライフスタイルが広まってきたのも、人間が本来持つ「関係する人と調和しながら、より自分らしさを追求したい」という欲求がようやく実現できる環境が整ってきたからともいえます。

特に他の人とのかかわり方においては、人間は心の中で「より自分を尊重してくれ、理解してくれ、自信をつけてくれ、励ましてくれ、刺激を与えてくれ、はっと気づかせてくれ、楽しさを共有でき、アドバイスもくれ、もてなしてくれ・・」という人に出会いたいという欲求を持っています。だからこそ、あなた自身の存在意義を再考する際に、改めてお客様にとって、スタッフにとって自分がどのような存在であるべきなのか?を見つめなおすことが重要になってくるのです。

言い換えると、スタッフやお客様から見て、「会いたい人」「会う価値のある人」になっているかどうかが今まで以上にシビアになってくるといえます。
同時にそれはまさに“自分磨き”にはもってこいの成長の場と言えます。
現状のままでは行き詰まり感が出てくるのであれば、逆にデータ戦やメタバースの到来を最強の武器としてさらにお客様に”エンターテインメントとしてのお買い物を楽しんでいただくために自分はどういう役割を演じればよいのか?そのためには何をどう研究してスキルを磨く必要があるのか?”などなどを考えぬく。まさにチャレンジあるのみです。

そう考えると改めて“自分戦略”を考え、自分で自分をプロデュースする時代にいよいよ本格的に突入したといっても過言ではありません。
一見難しいようですが、その本質は
あなたにはあなたにしかないタレント(能力)がある。それを発掘し、磨き上げ、発信することで、あなた自身の日々がより豊かになる
ということです。

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