ラグジュアリーブランド店長ブログ

効果的な問題解決につながる「3つの”化”」~見える化・言える化・聴ける化で化ける!:ブランド店長問題解決講座(43)

■効果的な問題解決にあたって点検すべきこと

ビジネスである以上問題がなくなることはありません。業績が上がれば「さらに上げるには」という中で問題が出てきますし、そうでなくても日々様々なトラブルも発生します。店長としては、いかにこれらの問題に迅速かつ効果的に対応できるか?が日々問われています。
しかし手あたり次第や行き当たりばったりではむしろ問題解決の効果は落ちます。そこで、様々な問題解決の思考法やフレームを学ぶ必要が生まれています。
一方で、様々な問題解決法が紹介される中、「理解はできるが、その通りやろうとしてもなかなかうまくいかない」という声をよく聞きます。確かに、レシピはある程度分かっても、実際には素材は様々であり、そこにどう味付けをするかは結局シェフの腕にかかってきます。
そこで、少しでもその成功確率を上げるために、一度以下の点を点検してみてはいかがでしょうか?

■問題解決に必要な3つの「化」と推進のポイント

3つの「化」とは
①見える化
②言える化
③聴ける化
です。

①「見える化」推進ポイント

見える化とは、「見たものを客観的に共有し、そこから問題をあぶりだし、改善の動きにつなげる」ということです。
これはかなり以前からその重要性が叫ばれており、昨今はデジタル化の推進もあいまって「データに基づく企業文化づくり」を前提に、POWER BIなどのツールを活用し、リアルタイムに近いデータを共有しながら、問題を素早く且つ客観的に把握し、迅速に対応することが可能になってきています。また、データだけでなく、店舗では実際にスタッフの言動に関しても「きっと~でしょう」という推測ではなく、「事実、こういうことがありましたよね」と事実(根拠)をもとにフィードバックをし、そこからあるべき姿と現状とのギャップを明確化し、改善につなげることが益々重要になっています。それが効率アップ・信頼アップに大きく貢献するからです。

②「言える化」推進ポイント

これも問題解決には非常に重要で、たとえばうすうす問題があると感じていても、それをお互いに口に出して言えるかどうかが問題解決には大きな影響を及ぼします。「どうせまともに聞いてもらえない」「言ったら”あなたが何とかして”と言われて仕事が増えるから言わない」「言ってもどうせ治らないから言わない」という意識がお互いの中にあると言わない、言えないまま問題が先送りされてしまいます。それを避けるには、「問題が起こってからではなく、日頃からもっとこうしたらどうか」という意見を積極的に出し合おうという風土づくりが重要です。

③「聴ける化」推進ポイント

これは②の裏返しでもありますが、たとえばスタッフから意見が上がっても「新人のくせに偉そうに」「売ってもいないのに余計なことを・・」など相手に対してネガティブな先入観があると聞いているようで、受け止められない、ということはよくあります。実際、なんでも受け入れればよい、というものではありませんが、「発言の奥に何があるのか?」を考えながら聴くということを意識することで、発信した側の想いや置かれている状況への理解が深まります。これはスタッフだけでなく、お客様、会社・上司からのアドバイスやフィードバックにも当てはまります。聞きたくない、という感情を乗り越えて、より良い状況づくりのために聴けるようにするには、”情報が入ってくるうちが花”という認識が必要です。

■3つの「化」で化ける!

正直なところ、日々発生する問題に対し「見ざる」「聞かざる」「言わざる」が一見楽そうに見えますが、その姿勢を貫いて良いお店作りができた例は皆無でしょう。
時代と共に問題が複雑化するにつれ、店長一人で問題解決ができるケースは少なくなっています。最終的にはスタッフ全員が情報をシェアし、その分野に強い人のサポートも引き出しながら問題解決にあたることが効果につながる。そういう意味で、「見える化」「言える化」「聴ける化」の推進は店舗にとっても関係者にとっても非常に有効で、これらを実践するからこそ、一人一人も店舗全体も良い方向に「化ける」可能性が大きくなると言えます。

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